第7回 縦糸と横糸
物語には縦糸と横糸があると思っている。(色々なところで、すでにかなり言われてはいるけれど)
縦糸は、主人公の根本的な動機とでも言えばいいだろうか。根の部分で、物語全体にひそんではいるものの、表にはそうそう顔を出さない部分。
横糸は、一言でいえば主人公が遭遇する出来事。友達とケンカをした、親に怒られた、告白されたとか。エピソードといってもいい。
その二つがあわさることで、物語は成立している。
シリーズものなど、物語が長期にわたる場合はそれがとても顕著になる。
マンガなどがわかりやすい例で、1つの軸となる主人公の目的があり、そこに毎回、横糸になるエピソードが重ねられていく。
具体例をあげると、「名探偵コナン」がわかりやすい。
コナンは、自分が元の体に戻るため、黒の組織を追いかけている。これが縦糸。
そして、毎回それとは関係のない事件が起きて、それを解決するのが横糸。
時折、縦糸に関わる事件を交えるのがポイントだ。ふだんは、縦糸のことなど意識させないようにしておいて、不意に縦糸に関わる事件が起きる。そして、少しずつ縦糸のストーリーが進んでいく。
つまり、縦糸のストーリーが終わる時が、物語の終着点になる。
いつも、長編を書くときは、この縦糸と横糸を意識している。
僕の場合、最初に縦糸をつくってから、横糸を考える。
横糸がから考えると、物語がぶれてしまって、収集がつかなくなる。
逆に縦糸ばかりで物語を進めていくと、すぐに行き詰まる。
だから、いかに魅力的な横糸を編み込むかが難しい。(はっきりいって、胃が痛くなるのは横糸を考える作業だったいりする)
とまあ、色々書いたけど、これは自分なりの解釈で、しかも結構色々なところで似たようなことは書かれている既出の考え方だったりするんですよね。
べつに、オリジナルの考え方じゃないのであしからず。
ただ、なんでこんなことを書いたかといえば、今ちょうど、この縦糸をどうするか悩んでいるところだから。
縦糸の物語を進めるか、横糸の物語を編みこんでいくか。
そこで思案中。
たぶん、両案考えてみて、よいほうを選ぶことになりそう。
まあ、なんの話かはあえて言わないけれど、大体想像がつきますよね?
2010-03-31 22:08
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